各種配管ラインを流れる水・油・ガス・空気・蒸気など各種流体のなかには、流体中の異物、配管内腐食・ガスケットなどのハク離によるゴミが混入し、そのまま放置しますと、配管ラインに設置される各種バルブの弁座を損傷して寿命を縮めるとともに、各種機器が正常に運転されなかったり、機器を破損してしまう恐れがあります。これらトラブルを未然に防止するために、流体中の異物やゴミを分離・排除するストレーナが配管ラインで重要な役割を果しています。このストレーナは、流体中の異物やゴミをろ過するスクリーンを内蔵し、そのスクリーン内に溜まった異物やゴミを、ストレーナ本体が配管に接続されたままの状態で、排除・清掃できる構造となっています。
ストレーナには、その形状からY形ストレーナとU形ストレーナなどに分類され、KITZでは、比較的流体抵抗が少なく、取付けスペースもコンパクトなY形ストレーナと、装置機器に直接配管できるU形ストレーナを製造しています。
ストレーナには、流体中の異物・ゴミなどを排除するためのスクリーンを内蔵しておりますが、流体の種類・所定の圧力・流速などを考慮し、スクリーンのメッシュを選定する必要があります。Y形ストレーナのスクリーンには、ステンレス鋼板に規定のピッチで穴をあけた多孔穴板スクリーンと、ステンレス線による平織・畳織の金網、さらにこの金網に補強用多孔穴板を取付けた、二重構造スクリーンがあります。
ステンレス鋼線金網タイプ
ステンレス鋼線金網タイプは、メッシュ(Mesh)で表示されます。メッシュは、金網の目の数を表わす単位であり、平織の場合25.4袢(1インチ)間の1列の網目の数をいいます。メッシュ数が大きい程、網の目が細かくなります。ただし同一メッシュでも線径により開口面積が異なりますのでご注意ください。右図は1インチ(25.4袢)の間に1列5つの網目があり、5メッシュのスクリーンです。
〈スクリーンの種類〉
多孔タイプは、目の細かさを表す場合にメッシュは用いません。多孔板は、穴径×ピッチで表します。
KITZストレーナの標準スクリーンは、下表の通りです。
品 種
標準仕様
オプション*
青銅・鋳鉄・ダクタイル(20K除く)
Y形ストレーナ
60。千鳥打抜きステンレス鋼板
20・30・40・60・80・100メッシュ
(ステンレス線平織・パンチプレート補強)
ダクタイル(20K)・ステンレス鋼・鋳鋼
Y形ストレーナ
40メッシュ
(ステンレス線平織・パンチプレート補強)
20・30・60・80・100メッシュ
(ステンレス線平織・パンチプレート補強)
青銅・鉛レス青銅・鋳鉄・ダクタイル(20K除く)
Y形ストレーナ・U形ストレーナ
国土交通省公共建築工事標準
仕様書適合品
40メッシュ
(ステンレス線平織・パンチプレート補強)
80メッシュ
(ステンレス線平織・パンチプレート補強)
鋳鉄
U形ストレーナ
60。千鳥打抜きステンレス鋼板